炭素繊維複合材は、性能の高さが売りではありますが、反面、材料コストや加工コストが高く、航空宇宙や次世代自動車、もしくは一部趣味の製品のハイエンドモデルで使用されるにとどまっています。企業様での製品への使用は検討されますが、コスト面で中断される場合が多いのが現状です。原料・材料は専門性が高く弊社では生産できないため、加工方法・加工コストに注目しました。
一般的に使われる標準部品は様々ありますが、その中でまずは『パイプ』にターゲットを絞りこれを低コストで生産できないかを考え、開発に努めました。パイプの中でも、直管パイプは付加価値が低く、大量生産でしかコストを低くできないため、「異形パイプ」の加工治具について研究を行いました。
【成型用芯材及び成型品の製造方法】-特許番号:6802950-
従来の炭素繊維複合材は、接合部の強度に問題がありましたが、一本の長い繊維を治具に巻き付けてパイプ状にすることでこれを解消しようと考えました。
しかし、ここにも脱芯の際に「製品にダメージを与えてしまう」という課題がありました。
そこで生み出されたのが特許取得済みの脱芯方法です。
これにより、
※開発には、
パイプ加工用治具開発を行う中で、弊社の加工技術に興味を持っていただき、名城大学の仙場准教授、名古屋大学の本村准教授と「CFRP製医療機器の開発」を開始しました。
【医療用処置具】-特許番号:6782935-
CFRP製の医療機器開発において、まず、【軽量化】を重点に置き、開発を行いました。
この医療機器は、通電機器であったため、金属箔とCFRP材(その他強化樹脂も可)、絶縁材の複層構造とすることで通電の安定性を確保し、また術者の安全も確保することができました。
また、連続繊維を使用したことで、接合部の強度についても確保し、既存のアルミ製のものからCFRP製の医療機器を製作することが可能となりました。
このCFRP製の医療機器は実用化に向けて改善点などがまだありますが、構造において、特許を取得することができました。
※開発には、